僕は人間だ、心のある人間だ
生きてる感じがする・・・
犬屋敷壱郎だ・・・!
定年を間近に控える冴えないサラリーマン、犬屋敷壱郎。
そんな彼は念願のマイホームを手に入れるも、家族からは疎外され、会社でも窓際へと追いやられる日々を暮らしていた。
そんな中、胃がんの末期宣告を受け、絶望してしまう壱郎だったが、突如現れたUFOの墜落に巻き込まれてしまう。
気がつけば何事もなく公園で倒れていた壱郎・・・だがそんな彼の体に異変が!?
はたしてそれは・・・
奥浩哉さんの漫画作品が原作。UFOの墜落事故をきっかけにして機械の体を手に入れる冴えない初老の男性の心の葛藤が描かれる本作です。
そんな本作の主人公・犬屋敷壱郎を演じるのは俳優の小日向文世さん。定年間近の主人公の悲哀と、機械の体にされてしまった苦悩がユーモアとアイロニカルさたっぷりに演じられているところ、そしてそんな犬屋敷の活躍が美麗な作画で描かれる所が見どころとなっています。自分の意志とは関係なく機械の体になってしまった犬屋敷。そんな彼の行き着く先が気になる第1話であります。
第1話にして機械の体って、某松本零士作品の主人公だったら大歓喜だったのにな💧
オープニングテーマはMAN WITH A MISSIONで「My Hero」
美麗な作画と主人公たちの機械の体のギミックがどことなく攻殻機動隊とか、洋画の『トータルリコールっぽさを感じさせる本作であります。
そんなロボギミックでは『ぬ』と『し』の文字のボールが縦横無尽に駆け回るシーンも登場。なにそのシリアス満点のピタゴラスイッチwww
この辺のロボ描写がなんとなく、往年の石ノ森章太郎氏の作品『ロボット刑事』でのテレビ放送版で改造された後の『K』を思い起こさせますw
つか、じじい改造され放題だろこれ💧
しかし、その2つのボールが最後に並ぶと『しぬ』という文字に・・・
これははたして、何を意味するのかが気になるところとなっています。死を迎えるのはじじいか、それとも人類か。なかなか意味が深そうな本作です。
ちなみにボールが『赤』と『青』になっているのも、もしかしたら手塚作品のオマージュとなってる可能性なんかもあったりするのかしら?そうなると生命の根源に迫る展開もあったりしてw
さて、本作の冒頭は主人公・犬屋敷壱郎が新居を買ったことから家族で引っ越しをする場面から。58歳にしてようやく手に入れた念願のマイホーム。働きアリのように日々頑張って家族にいい顔を見せようとする彼でしたが、その家は豪邸の裏で完全に日陰・・・
最初は団地住まいから開放されると喜んでいた妻も子供たちもすっかり興ざめでお父さんほったらかしでファミレスへと出かけてしまうことにw
一人で荷物を開梱しながらもりそばの出前を取る壱郎。現代の父親像をリアルに体現する彼でありますwいや、これでも都内(場所にもよるけど)ではお父さん頑張ってるんだけどね💧 つか、どうみても豪邸のほうがココじゃ不自然だろwww
さて、そんな家族の中で疎外感を味わう壱郎。それは会社や社会の中でも同様で、電車内のマナーの悪いDQNたちにもなにも言えずにストレスたまりまくりwそれを癒そうと犬を拾って『はな子』と名付けるも娘や息子には嫌がられ、挙句に妻も家の中でウンコをしたとイヤミを言われてしまうことに。いや、そこは上手にフォローしてあげてよお母さん💧
まぁ、お母さんの方もパートに出たりして稼いでいるからそのへんはなんとも言えないところなのかとは思うけどね。
そんな、家族からどんどん孤立の一途をたどる壱郎。しかし、それだけではとどまらずに今度は胃がんで余命宣告!?
しかし、そのことを家族に話そうとするも誰にも話すタイミングがとれない壱郎。自分がもうじき死ぬのに誰にも気づいてもらえず悲嘆に暮れる彼であります。
つか医者、余命宣告軽すぎだろ💧
と、そんな中、目の前にUFOが現れ近くにいた男も巻き込み墜落してしまう。それに慌てた中の宇宙人は兵器ユニットを使って2人を復元してさっさとそこから逃げてしまうw
何も知らずに目を覚ます壱郎だったが、中身はすでにロボ・・・
なにこのシリアス風味のサイボーグクロちゃん展開💧
てか、もうすでに原型ないんじゃ・・・w
そんなわけで、ロボにされたにも関わらずそのことに全く気づかない壱郎。
しかし、持病の腰痛はすっかり治っており、眼鏡のレンズもないのに視力は回復。しかも胃がんのための精密検査ではレントゲンに内臓が映らないと異常なことばかり💧
宇宙人、アフターケアなしかよ!
そんな壱郎の変化はそれだけにとどまらず、不審に思った彼は携帯を叩き折ることに。すると、それはすっかり中身は替わってしまっていて、さらにはそれが自分自身の体までが機会に置き換えられてしまったことに気づく。
朝食べたものがまったく消化されずに変形した体の中から飛び出し、慌てる壱郎w自分の意志とは関係なく改造された事を知って悲しむも、涙も出ない彼であります。
そんな彼がやたらと水を飲むのはどうやらそれがエネルギー源であるかららしい。
なるほど、咀嚼物が飛び出したのは体が遺物だと認識したからなのでしょうね。
そんな、壱郎の体の設定、往年の特撮ヒーロー『アイアンキング』を思い起こさせます。
あら、オマージュw
てか、ガラケー完全にハリボテなってるじゃねーかwww
ロボだから自分で電波拾って通話してたのね💧
そんなわけで、犬屋敷壱郎の草薙素子少佐バリの義体展開、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
じじいの裸はいらねぇえええ!
自分が勝手にロボにされてしまい、ショックを受ける壱郎。
すると、そこにホームレスがDQNたちに襲われていることをその改造された聴覚によって察知することに。
襲われるホームレスを庇い、DQNたちに立ち向かう壱郎。しかし、痛覚は人並みらしく、あえなくフルボッコwww連発花火の熱さに怯んで戦意喪失の彼。そんな無抵抗なじじいを頭は狙わず金属バットで叩き伏せるガキども。うわ、コイツらクズすぎるだろ。
そんな、ガキどもに気を失う壱郎。すると、無意識の彼の後頭部からカメラが出現し、その情報を元に彼らをレーザービームで攻撃を始める。しかも、それは一発も直撃させることなく、すべてが威嚇射撃w
イデオンなみの全方位攻撃キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
なんという優しいイデオンwww
てか、レーザー曲げられるってどこのサイコガンだこれwwww
しかも、それだけではなくガキどもの個人情報もカメラから顔を割り出しネット検索で明らかにされ、特定されることにwww
ネットに晒され、将来を抹殺されるDQNどもザマァ
戦い終わって水を飲むのもアイアンキングなんだよなぁwww
そうして、ホームレスを救って感謝されるも涙が止まらない壱郎。生きている実感があるのにすでに命は失われ、機械の体に入れ替わってしまったことに涙する彼。
はたして、そんな壱郎のこれからとは・・・
そんなわけで、異星人から突然機械の体に改造されてしまった男の悲哀が描かれる本作。かつてOVAで大友克洋氏の原案、江口寿史氏のキャラデザで『老人Z』という作品がありましたが、老人を主人公にしたのはそれ以来でしょうかw
まぁ、あちらは介護ベッドの暴走でしたが、こちらは本人が改造されちゃってますからねぇ💧その悲しさは比べるどころではないでしょうが。
そんな、『いぬやしき』ですが、その機械の体の変形ギミックには攻殻機動隊とか、ロボット刑事、そして設定などではアイアンキングなど特撮やアニメのオマージュ的なものも見え隠れしているところが原作漫画の幅広い支持層にもなっている要員なのかもしれません。アニメではそれがさらに広がっている様子もみえそうで、どんな展開を見せるのか楽しみでもあります。
つか、最初原作の表紙を見てたらコメディだと勘違いをしていた管理人でしたけどね💧